遠征
日曜日, 7月 19th, 2015奴が来る。
俺は前日入りを決意し、
シラス台地へと降りたった。
生暖かい夜風が顔に吹き付けてくる。
まちがいない!
奴との戦いが始まることを確信した。
こっちも準備万端だ。
傘だけでなく、
ポンチョ、カッパのズボンも用意した。
ゆっくり寝て明日に備えよう。
・・・
朝を迎えた。
いよいよ戦いの時がやって来た。
顔を洗い、ひげを剃って身だしなみを整え、
朝食をたっぷりと平らげた。
薩摩揚げ食いたかったが、まっ、良しとしよう。
準備万端だ。
ホテルの部屋に戻った俺は、
一気にブラインドを上げた。
シャーッ!
「まっ、まぶすぃ!」
真っ青な空が俺を見下ろしている。
窓を開けると、
心地よい風が入ってきた!
汗もかきそうにない。
快適に過ごせそうだ。
よし!
って、
あっ、あれ・・・
俺前日入りしたよ。
わざわざポンチョとかカバンに入れたしぃ、
飛行機変更して、新しく宿とったしぃ。
飛行機チェックしてみよっと・・・
「欠航情報は、ありません」
おっ、おやあ?
11号さんどこさいっただ?
・・・
戦い仕事も無事に終え、
お土産コーナーへと消えていく一人の男が、
そこにはいた。
「さっ、さつまあげぇ~」