むかし、むかし・・・

むかし、むかし、キリスト様が生まれるもっと前のお話です。

ある所に王様がいました。
ある日、お散歩をしていると一人のおばあさんが川を渡ろうとしていました。おばあさんに話を聴いてみると、毎日、川を渡って、お城の近くで商売をしているようです。この日の川はものすごく冷たくて川を渡るのは大変です。そこで、王様はおばあさんをおぶって川を渡ってあげました。そのことを知った民衆は、王様のことを褒め称えました。

F513は思いました。
やさしい王様だな。
でも・・・そんなの王様のすること?

それから時が流れ、数百年後、ある男がその話を聞いて言いました。
「その王様はダメダメだ!」
なぜ?
「たった一度おぶって川を渡っても、そのおばあさんはこれからも毎日川を渡らないといけないんだぜ。そんなことするよりも、橋を作るべきなんだよ」

F513は思いました。
そうだよな、王様じゃないと橋、作れないし。一人のことより、もっと大勢の事を考えないと。

それから時が流れ、数百年後、ある老子がその話を聞いて言いました。
「その男は、1を知って10を知らない」
どういうこと?
「王様の時代は橋を作るのはすごく難しく、費用もかかり、大雨が降るたびに橋は流される。橋を作っても無駄なのさ。だから、王様の行動は正しいのだ」

F513は思いました。
今の尺度で測ってもダメなんだ。
その男のようの浅い所で思考を止めてはダメだ。

 

おしまい


何事にも理由がある。
それを考えないと、時に大きな失敗を招く。
「どうしてそんなことをした(する)のだろう」と考えることが大事である。

F513@大分本社

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